本会は昭和33年(1958年)に発足した民間教育研究団体です。
学校の教員、大学等の研究者を中心として、全国に約650名の会員・誌友がいます。(2023年現在)
- 本会は次のような活動を行っています。
- 毎年1回、8月初旬に全国集会を行います。
- 地区(関東・甲信越・東海・関西・西部)ごとに、年1~2回程度の研究集会を開きます。各地区の構成は次の通りです。
- 関東地区:北海道、東北地方、関東地方
- 甲信越地区:新潟、富山、石川、山梨、長野
- 東海地区:岐阜、静岡、愛知、三重
- 関西地区:滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、福井
- 西部地区:中国地方、四国、九州、沖縄
- 各地区に地域サークルがあり、自主的な研究活動を行っています。
- 会誌「考える子ども」やこのサイトを中心として、会員・誌友間の情報交換を行っています。
- 会員は会の中核として活躍し、諸種の集会に参加したり、会誌に投稿したりする場合優先権を持ちます。
誌友は会誌「考える子ども」の購読者です。 - 会誌「考える子ども」(学術雑誌指定)は、年間7冊発行されています。
令和6年月現在、第426号を数えました。市販はしておりません。 - 会員は会費(誌代を含む)年8000円、誌友は誌代郵送料とも6000円を前納します。 会計年度は毎年7月1日~6月30日です。
注)2007年度会費より、年会費が値上げされました。 - 教育関係者のみならず、教育に関心のある方なら、どなたでも入会できます。
私たちの主張
わたくしたちの会は、日本の教育政策が系統主義の知識教育、徳目主義の道徳教育に大きく転換したことを批判し、1958年(昭和33年)に発足しました。それは、そのような教育では、その子にふさわしく個を確立していくことが阻害されると考えたからです。
1947年(昭和22年)に新設された社会科の初志は、新しい民主的な社会を主体的に創造する人間は子どもの切実な問題解決を核心とする学習によってこそ育つという考えにもとづいています。
今日、社会は激動し困難な課題に満ちています。そのような社会にあって、社会のよりよき変化を求めて創造的に生きる力を育てようとすれば、子どもの切実な関心と強靭な意思にもとづく主体的な問題解決学習の重要性がますます大きな意義をもつに違いないと確信し、次のことをめざします。
- わたくしたちの会は、問題解決学習を進めていくことによってこそ、子どもたちはものごとの本質をねばり強く個性的に追究し、新しい社会を創造できるように育つと考えます。
- わたくしたちの会は、つめこみ・教えこみの指導を排します。社会科だけではなく、すべての学習・生活指導で、子どもが中心となって進める教育の創造をめざします。
- わたくしたちの会は、一人ひとりの子どもを人間として大切にして、広い視野から主体的に考え、行動できる子どもにしようと努めます。
- わたくしたちの会は、社会科をはじめとして、さまざまな教科に関わる教師と、学び高めあう人間関係を築きながら、教育実践にもとづく主体的で地道な研究に邁進します。
故 上田 薫 名誉会長からのメッセージ
今の日本の政治も経済もそして大切な教育までも、どこか立ちすくんで勢いをなくしています。それは目前の種々な悩みのためかもしれませんが、実は、人類の未来には核や人口の適切な処理、深刻化する環境問題対策など大変困難な課題が、いくつも横たわっています。それらのことにしっかり取り組むためには、社会のしくみをもっとくふうすることが肝要ですが、根本的には人間一人ひとりの充実と深まりこそ不可欠だと思います。
そう考えると創造的な問題解決の精神を軸に人間としての個を大切にしようとする私たちの会は、特に大切な使命を担うものと言えましょう。社会科の初志は平和と民主主義を大事にして人間の幸せを希求するものですが、この初志の会ではこれまで志のある人びとが半世紀以上も苦難にたえて教育の革新に努めてきました。一人ひとりの子どもを立派な力強い個に育て上げるために、どの教科を目ざす教師も、いや保護者や一般のかたがたまでも、ここで強靭に力を結び合せようではありませんか。苦しいときも悲しいときも心を一つにし励まし合い慰め合えるということは何より貴重です。
社会科の初志をつらぬく会 名誉会長 上田 薫
組織
役員 (2023年8月~)
役職 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
会長 | 的場 正美 | 愛知文教大学 |
副会長 副会長 | 田上 哲 柴田 好章 | 九州大学 名古屋大学 |
研究部長 副部長 | 的場 正美 宮澤 知可子 | 愛知文教大学 三重県 |
編集部長 編集委員 編集委員 編集委員 | 杉本 憲子 松本 康 神永 典郎 池田 竜介 | 茨城大学 信州大学 白百合女子大学 九州産業大学 |
広報部長 広報副部長 | 木下 智実 堀部 健一郎 | 埼玉県 神奈川 |
連携推進部長 副部長 | 江口 修三 保科 登喜子 | 広島県 東京都 |
事務局長 事務副局長 | 水田 辰男 齊藤 公子 | 大阪府 大阪府 |
会計監査 会計監査 | 樫村 豊 吉本 充 | 広島県 大阪府 |
全国地区 (2023年8月~)
役職 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
関東地区研究部長 副部長 | 岸野 存宏 保科 登喜子 | 東京学芸大学附属小金井小学校 東京都 |
甲信越地区研究部長 副部長 | 中村 榮三 大谷 実 | 長野県 新潟県 |
東海地区研究部長 副部長 | 柴田 好章 堀田 隆長 | 名古屋大学 三重県 |
関西地区研究部長 副部長 | 西裏 慎司 東田 晶明 | 京都府 兵庫県 |
西部地区研究部長 副部長 | 田上 哲 横山 幸生 | 九州大学 熊本県 |
運営委員 | 足立 敏雄 川本 一也 安達 仁美 坂本 將暢 伊倉 剛 園田 貴章 池田 竜介 辰野 豊 大久保 明子 西裏 慎司 大橋 静香 田上 良江 尾崎 智佳 田村 高浩 神永 典郎 中村賢太郎 平山 恵子 堀 智晴 福井 肇 山根 栄次 古 隆子 勝山 勝枝 | 愛知県 三重県 長野県 名古屋大学 愛知県 元久留米大学 九州産業大学 長野県 福岡県 京都府 静岡県 佐賀県 愛知県 愛知県 白百合女子大学 鹿児島純心女子大学 東京都 インクルーシブ教育研究所 滋賀県 元三重大 大阪府 佐賀県 |
評議員(50音順) (2016年8月~)
市川 博 (神奈川) 市川 則文 (三重) 川合 春路 (奈良) 酒井 宏明 (愛知) 霜田 一敏 (愛知) 傳田 伸剛 (長野) | 戸崎 延子 (神奈川) 中村 亨 (福岡) 橋本 輝久 (三重) 長谷川 正巳 (愛知) 日比 裕 (岐阜) 深谷 孟延 (愛知) | 別木 達彦 (大分) 山本 早苗 (静岡) 吉見 博史 (京都) 若林 シゲミ (大阪) |
コラム
教育実践史のクロスロード[リレー連載・最終回]上田薫教師たちの自恃(じじ)を支えた思想––確かな「個」の育成を目指して早稲田大学教育・総合科学学術院教授藤井千春
藤井千春前研究部長が、故上田薫名誉会長が大切にされてきた考え方を時代背景も踏まえながらまとめられています。ぜひ、ご一読ください。
https://shop.gyosei.jp/library/archives/cat01/0000012203